パティシエ卵のフランス日記

フランスの製菓学校に通うパティシエ(-ル)の卵のブログ

フランスの復活祭、Pâques(パック)

Bonjour!  Emmaです。

 

フランスも春めいてきた今日この頃、

パティスリーは4月の”Pâques(パック)”、英語でいうイースターにむけて大忙しです。

今日はこの”Pâques(パック)”、そしてフランスのパティスリーが作る、

イースターエッグについてご紹介します。

 

Pâques(パック)とは? 

日本語では復活祭、英語ではイースターと呼ばれるキリスト教の祝日で、

ざっくり言うとキリストの復活をお祝いする日です。

毎年3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日に催されますが、

今年は4月4日がこのパックにあたります。

パックには卵の形をしたチョコレートを庭に隠し、子供が探す、というのが

一般的な過ごし方で、3月後半になるとスーパーにはイースターの

チョコレート商品がずらりと並びます。

そんなパックに向けて、フランスのパティスリーでは、手のひらサイズの卵から
観賞用の特大サイズまで、趣向を凝らしたチョコレート商品&イースターエッグを準備します。

  

パティスリーのイースターエッグ

パティスリーのイースターエッグがどんなものかというと、
よく見かけるのは大きな卵の形をした中が空洞のチョコレートに、魚や貝の形をしたFruitures(フリュイチュール)と呼ばれるチョコレートが詰まったもの。
卵の中に魚、というと不思議ですが、これは聖書に記されている、キリストが起こした"大漁の奇跡"(La pêche miraculeuse)- キリストが示した場所に網をかけたところ、大量の魚が獲れた- という話に基づいて、魚型のチョコレートが作られるようになったそうです。

 

(*フリュイチュールのみでも売っています。以下はスーパーで見つけたフリュイチュール)

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パックのフリュイチュール。


卵のサイズは15cm~20cmのものから、もっともっと大きいものもあり、
鶏卵ではなくて、ダチョウの卵をイメージしていただくといいかもしれません。 
なお、こちらは庭に隠すには大きすぎるので、観賞用ですね笑
多くのブティックでは庭に隠せるサイズの卵型チョコレートも見かけます。

また卵以外にも、ウサギ、ニワトリ、クマ、テントウムシ、ミツバチ、など、
動物の形をしたチョコレートも作られており、
創意工夫をこらしたチョコレートを見ることができるのもこの時期のお楽しみです。

ちなみにパティシエが丹精込めて作ったこれらのチョコレート、価格は
驚くことなかれ、パリの一流店や星付きホテルのものだと一個あたり50ユーロ(6000円!)以上するものも珍しくありません。
パックは子供のみならず、グルメな大人向けのイベントでもあることがうかがえます。 


ちなみに、フランス人に「この卵っていつ食べるの?パック当日?」と聞いたところ、
「ん~基本的には3月後半から4月中旬だけど、食べたいときに食べていいよ!」
とのこと。
なんてざっくりしてるんでしょう笑 

 

気になる!イースターエッグ

さて、フランスでは毎年有名パティシエのイースターエッグが話題になるようですが、
ここでは私が見つけた、気になるイースターエッグを紹介したいと思います。

 

・Pierre Herme-  La Face de l'oeuf (ピエール・エルメ)

https://www.instagram.com/p/CMUlooKIyaH/?igshid=6nzg848gpkfs (Instagramへリンク)

ピエール・エルメ氏とパリのアーティストThomas Boog氏との
コラボレーションによる作品。
Boog氏の特徴的な貝殻を用いたデザインを、チョコレートで再現するのに
なんと2年かかったそう。他のブティックでは目にすることがない、さすがピエール・エルメ!のイースターエッグです。

 

・Four Seasons Hotel George V Paris by Michael Bartocetti

https://www.instagram.com/p/CMh50EeFhx8/?igshid=u7nbpqz6wu8m (Instagramへリンク)

フォーシーズンズホテル ジョージ サンクのイースターコレクション。
注目は1.3kgもある特大イースターエッグ。卵の殻の部分にプラリネ、キャラメライズされたノワゼット(ヘーゼルナッツ)、塩バターキャラメルがたっぷり忍ばせてある、聞くだけでよだれが出そうなとっても贅沢な卵です。

 

・Anne-Sophie Pic 

https://www.instagram.com/p/CMphE_9gRrK/?igshid=1g2bx650i9vzy (Instagramへリンク)

ミシュラン3つ星獲得の女性シェフ、アン・ソフィー・ピック氏によるイースターエッグ。ストリートアートをモチーフにしたというポップなデザインが目を引く遊び心にあふれたイースターエッグ。

 

他にもたくさんの楽しいイースターエッグがたくさんあります!

興味があるかたは是非#Pâquesでチェックしてみてくださいね。

 

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 さて、私は現在レストランでインターンをしていますが、ここでもイースターエッグを作っています。
ノワール(ブラック)、レ(ミルク)、ホワイト、ドルチェの4つのフレーバーで、
形は卵にテディベア、ウサギ、など。日々チョコレートのムラージュ(流し込み)、モンタージュ(組み立て)をしています!

お客様が楽しいパックを過ごせますように★

 

それでは、A bientôt.

Emma :)

 

 

 

はじめに -パティシエの卵、ブログ開設-

はじめまして、Emmaです。

当ブログをお読みいただきありがとうございます。

私はフランスの製菓学校で製菓/パティスリーを勉強している学生です。

この度、フランスでの学びを記録すること、フランス留学に興味がある方への

情報共有(自分の経験が少しでも誰かの役に立てばと思っています)を目的に、

ブログを開設しました。

このブログでは、

  • フランスの製菓学校の様子
  • フランスの文化・お菓子文化
  • フランス留学
  • フランス語学習

などについて、ゆるりと紹介してゆきたいと思います。

 

フランスの製菓学校に興味がある!

フランス留学or海外留学したい!

お菓子が好き&お菓子作りが好き!

 

そんな方に少しでも役立つ情報をお伝えできればと思いますので

つたない文章ではありますが読んでいただけると嬉しいです。

 

簡単に自己紹介をすると、以下の通りです:

空気と食べ物がおいしい田舎で生まれ育ち、東京の大学に進学。

卒業後、都内の米系企業で数年間マーケティングに携わる。

その後一念発起し、幼少期からの趣味である製菓の道に進むことを決意。

パティスリーの本場であるフランスの製菓学校への進学を決め、退職。

現在フランスで学生生活を送っています。

渡仏時のフランス語語学力はほぼゼロ、

製菓学校・お菓子教室等への通学経験もゼロ、

そんな私ですが、渡仏後大きな問題もなく、製菓の勉強にいそしむ日々です。

 

美味しいお菓子で人を幸せにできるパティシエ(パティシエール)になるために、

今日もどこかで頑張っています。

 Photo Paris 2019

 

それでは、どうぞよろしくお願いします。

 

A bientôt.

Emma :)